4.施術手順
冷え取り治療と、自律神経調整治療をした後、椎骨脳底動脈血流処置をして、「上熱(じょうねつ)下冷(かれい)」状態を改善させます。ホルモン中枢である視床下部・脳下垂体の活性化を図り、各ホルモン分泌器官の機能向上治療もします。
・全身の自律神経調整
頚椎から尾椎まで脊椎間のV字鍼をします。同時に、指間穴特に足の趾間穴の微少雀啄(じゃくたく)により血管運動神経ほかの自律神経調整をします。
・全身のホルモン調整
身柱、筋縮、脊中、命門、華蓋(かがい)、中脘、中極に単刺をした後、胃の六つ灸穴と三陰交と湧泉の施灸をします。
・性ホルモンに特化した施術法
女性には、次髎と復溜と石門と血海と内関の単刺と施灸をします。
男性には、復溜と陰包と中極の単刺と施灸をし、最後に金津玉液(きんしんぎょくえき)の単刺をします。金津玉液(きんしんぎょくえき)穴は奇穴で、左右舌下静脈を指します。
・個別に出やすい症状の対症療法
精神的・肉体的なイライラ解消方法としてのストレス寛解目的で、築賓への施灸をし、抗ストレスホルモンであるステロイドホルモンの分泌増加を図ります。
その後、副甲状腺ホルモン調整のために、兪府と照海に置鍼して上四瀆(かみしとく)から雀啄(じゃくたく)します(長野式)。最後に、ネーブル点と足三里と三陰交と裏内庭の温灸をします。
躁鬱状態の改善には陰陵泉に置鍼して肩井単刺による骨盤内鬱血改善をした後で、足首回しを十分にし、百会付近の「ブヨブヨ」している箇所への水平刺をして頭頂部の血流改善をします(長野式)(長野潔『鍼灸臨床わが三十年の軌跡』医道の日本社:62頁)。
不眠症状改善には、湧泉と裏内庭の施灸後、失眠の多壮灸をします。就寝前に施灸すると効果的です。