三 へんろ旅に当たっての心構え
*その他の経文
供物等
香の種類はとても多く、沈香(じんこう)・伽羅香(きゃらこう)・栴檀香(せんだんこう)・龍脳(りゅうのう)・安息香(あんそくこう)・鬱金香(うつこんこう)、その供え方や形も香華(こうげ)・薫香(くんこう)・焼香・丸香(がんこう)・散香・抹香・線香・定香(禅定(ぜんじょう)時の香)、さらに塗香(ずこう)・香水・香油等様々です。
納め札について
納め札というのは、へんろが自らの名前や願意等を記し、札寺に納めるためのもの。いわば、へんろの「名刺」ともいうべき大切なお札で、仏に対して参拝目的と、その成就のために成したへんろの足跡記録を残す行為です。
へんろ旅の回数と納め札の色は、へんろ者としての質・量的な位置や意識の形の表現で――
1~4回まで……白色札(目的達成までの段階的過程を意識して)
5~7回まで……緑色札(札の色の変わるのを励みにしつつ)
8~24回まで……赤色札(目的は回数ではないと戒めながら)
25~49回まで……銀色札(札色の変化を心に照らし合わせて)
50~99回まで……金色札(心を黄金色の札に重ねて遠い峠を目指す)
100回以上……錦札(錦の多様な色模様を見つめながら、回を重ねる)
拘らない自由と人それぞれの思いはありつつも、参拝の刻々に感謝の思いを込めて納めます。
第二章 参拝の環境
――88カ寺の環境(寺間の距離・所要時間等)
この章では、四国88カ寺を巡るへんろ旅について、その距離や徒歩での所要時間、さらにはそれぞれの札所間の距離や、個々の札所についてのあらましをわかりやすくまとめました。
皆さんが実際にへんろ旅をする際の計画に、また現地での道案内として便利に使って頂きたいと思います。