夫の場合は鼻腔からの吸痰はないのですが、いらした看護師さんにはその伝達がしっかりできていなかったのでしょう。

当の看護師さんは「あああ」と言ったきり何事もなかったかのようにしてカテーテルを塵箱に捨て、私の「どうもすみませんでした」という言葉を背中に受け、病室を出て行かれました。

少しも動じることのないこの姿勢は、さすがプロであると感心してしまいました。ただこの間違いがこれからも続いては困るので、しばらくして病室にいらした主任さんに、痰の吸引はあくまでも気管からだけであることを徹底していただきたいとお願いしました。

翌日病室に行ってみますと『吸痰時鼻腔からは不要です』と書いた厚紙が、人工呼吸器のアームのところに貼ってありました。これで看護師のみなさんに通じると安心するとともに、その対応の早さに感謝いたしました。

(五)がんばりのリハビリチーム

家にいる時は、後退しつつある筋力、機能の歯止め役としてしっかりリハビリをしていただいていたので、形態は違っても、リハビリは継続していただきたいと入院前にこの病院にお話ししておきました。

病院はこの申し出をお聞き届けいただき、理学・作業・言語療法士の三人の先生方が何らかの形で毎日病室にお入りいただいたようです。

中でも、言語療法士の先生は、透明の文字盤をお持ちくださり、文字を目で追って意を伝える練習を一生懸命試してくださったようです。

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次回更新は10月8日(火)、11時の予定です。

 

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