統合失調症の患者は現在、百人に一人程度とされています。こわいイメージを持たれる方も多いですが、案外身近な病気なのです。

③幻覚や幻聴のなぞ

私自身、普段生活していて、あまり幻覚や幻聴は感じたことがありません。だから明確には言えませんが、患者として幻覚や幻聴もどきを感じたことがあります。

例えば、私はマンション暮らしですが、家にはインターフォンがあります。トイレやお風呂、寝室にいる時には、なかなかインターフォンが聞こえづらいので、宅配業者が来ないかと、普段よりも慎重に耳をそばだてます。そ

うすると寝室にいる時やお風呂場などで、インターフォンの音が聞こえたような気がして、実際に見に行くと、誰も来ていないことが何度かありました。マンションなので、隣の家のインターフォンが鳴っていたのか、気にしすぎで何かの音やボイラーの音などが、間違えて聞こえたのかもしれません。

ただ1つだけ気づいたのは、これも幻聴の一種のようなもので、このように気にしていたりすると不思議と遠くの音でも聞こえてきたり、別の音が全く違う音として認識される場合もあるのです。

この現象は、自分の精神面の病状が悪いと特に多く感じられます。精神が不安定だと、神経が過敏になっているからでしょう。だからこそ精神疾患者が、幻聴や幻覚が見えたり聞こえたりすることは大いにあり得ることですし、本人にとってはとても悩まされることだと思います。

幻覚についても、入院時に光の反射や影などで、光や物体が全く別のものに見えたことがあります。幻覚の場合、嫌いなものや怖いものに見えることが多いと、入院していた時に、多くの友達から聞きました。

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