デスクトップパソコンで防衛省のホームページに入り、早速任期制自衛官の給与、各種手当、退職金などを入念に調べ上げた。

応募資格年齢は一八歳~三三歳未満となっており、三か月間の見習い期間があり、その間の手当はおよそ一四万円程だが二士に任用されると約一八万円が支給され年一回の昇給と六月、一二月に期末手当が支給されるとあった。

この辺は刑務官とほぼ同じなのだが一番の違いは、二士に任用された際、約二二万円の任用一時金が支給され、任期である二年間で除隊する際は退職金が約六〇万円支給される。

任期を一年延長して三年で除隊すると約一〇〇万円近い退職金となり、四年間任務に就いて除隊すると退職金は一五〇万円を超える。

この期間、自衛隊では衣食住全てを国が無償で提供してくれるので、給与やボーナス、退職金を合わせて四年間でその気になれば一、〇〇〇万円程度の蓄財を為す事が可能とされていた。

ここまで調べた須崎は思わず独り言を呟いていた。

「何だ、マスコミは若者の貧困、今の若者は稼げない……貧乏な若者が街に溢れているなどというけれど、その気になって頑張ればまだまだ稼げるじゃないか……」と思わず呟いていたのだ。

そして続けて「あの桜田警部はなんで自衛隊の任期制なんて知っていたんだ?」と不思議に思った。

と同時にこの疑問は次回会う時の飲み会までの楽しみにと更に自衛隊の処遇に関して、陸・海・空の違いなどを詳細に調べ上げていった。

その結果、離島の刑務所勤務は海に浮かんでいるイメージで捉えた場合、洋上勤務の海上自衛隊とイメージが近いと思えた。

須崎はこうして防衛省のホームページを閲覧する中で桜田警部が言った自衛隊の任期制採用システムを思い描いていた時、ふとある自動車メーカーの期間工募集という文言に目が止まった。

【前回の記事を読む】国の厳しい経済事情を考慮し、刑務所を都内から離島に移転させるという案。妙案と思われたが、それには致命的な問題が…

 

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