ここで勝手に仕切り役となった桜田が
「各自のテーマを三か月間掛けて検討し、三か月後に持ち寄って、ディスカッションをするってどう?」と二人に持ち掛けた。それを受け、須崎が
「いいですよ。今度は居酒屋の個室の様なところで酒を酌み交わしながら、というのではいかがですか? その方が忌憚のない意見を言い合える様な気がします」と提案すると
「是非、そうしましょう。桜田さんいける口でしょう?」と団が桜田に飲めるだろう確認を入れると
「たぶんお二人よりも酒豪だと思います」と返した。
「じゃ、決まりという事で三か月後の日時を決めましょう」と須崎が提案した。
それぞれがスケジュール帳を取り出して、三か月後の第一金曜日の一八時、新橋の居酒屋という事で決まった。
行き付けという事でその場から須崎が予約を入れた。個室を押さえる念の入れようであった。
団が一六時からの会議に出席しなければならない事から、二人は一四時四〇分で視察を終え呼んでもらったタクシーで西国分寺駅へと向かった。来た時と同じくJR中央線快速に乗り東京駅へと向かい、二人はそれぞれの職場へと帰っていった。
第二章 調査1、調査2、お手本は自衛隊
二人を見送った後、所長室に戻った須崎に
「所長、一五時面会予定だった副市長との面談ですが、先方に急用が生じたとの事でドタキャンになりました」と総務課長が伝えてきた。
「おお、そうか了解」と須崎は応じておいてしめしめと思った。
須崎はそのキャンセルで浮いた時間を自身が担当する事になった自衛隊の任期制を調べる時間に当てたのだ。