4. 糖尿病、4つに分かれる
M: 糖尿病の分類について整理しましょう。いきなり質問ですが、糖尿病って何種類に分類されるか知っていますか?
A: ん~、確か1型糖尿病と2型糖尿病の2種類だったような……。
M: 1型と2型は正解です。それ以外に「妊娠糖尿病」と「その他の糖尿病」がありまして、糖尿病は4種類に分類されます(図2)。
A: 1型、2型、その他、妊娠……の順番の方が響き的に覚えやすいかも。
M: まずは、全糖尿病の9割を占める2型から説明したいと思います。世間一般の人が糖尿病として認識しているのは2型です。2型は遺伝的素因に、食べ過ぎ・運動不足といった生活習慣の乱れ、そして加齢が関与して発症します。
A: 食べ過ぎ、運動不足、加齢はなんとなく分かるのですが、遺伝も関係するのですか?
M: 2型は遺伝の影響を強く受けるのが特徴です。どれくらい強いかというと、片親が2型だと3割、両親だと6割遺伝するというデータもあるようです。
A: 両親だと6割も! 遺伝の影響すごいですね!
M: 実は、私自身も母方が2型糖尿病の家系なんです。そのため、普段から食事に気をつけ、定期的にジョギングをして、スリムな体型を維持しているのですが、白米を茶碗1杯食べただけで、健常人では食後の血糖値は140mg/dl以内に収まるところが、私の場合200mg/dl近くまで上昇してしまいます。
A: え~っ、スリムで意識高い系のみなみ先生でも高血糖になるんですね!
M: 色々と気をつけているんですけどね~。遺伝の影響って結構強いんだなと実感しています。ただ、ご先祖様からいただいた体質は変えられませんから、体質に生活を合わせていくしかないんですよね……。私もこれから食事に気をつけて、適度な運動を続けて、糖尿病予防に努めたいと思っています。
A: 体質は変えられなくても、生活は変えられますからね! とはいうものの、世の中美味しいものがいっぱいあって難しいけど……(涙)。
M: 次は1型についてですが、2型と違って遺伝性は数%程度とされています。1型の発症には自己免疫が関係しています。
A: 自己免疫ということは、自分の免疫が自分を攻撃するということですね?
M: よく勉強していますね。そのとおりです。自分の免疫が膵臓のインスリン工場であるβ細胞を攻撃してしまい、インスリンがつくれなくなってしまうのが1型です。発症には風邪ウイルスなどの関与が指摘されていますが、原因はまだ十分解明されていません。
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