何かとお世話をしてくれる人がいて、ときどき食べ物のお裾分けがあり、つくづく果報者だと思う。意外と世の中を広く見ることになったのは、物事に関心を持ち当たって砕けろダメで元々。貧乏育ちで植え付けられた何事も捨て身の覚悟が、功を奏してきたと思っている。

札幌の地下街で見つけた〝路上脱出生活支援ガイド〟。何曜日の何時から、どこで炊き出しがあるか書かれている。備えあれば憂いなし、役立つ冊子を見つけた。

自分が生きることが誰かのためになっている反面、誰の迷惑にもならず生きられる保証はない。一回限りの人生、あれもこれも我慢、それも耐えるではみじめだ。自分の力で進むなら〝それもよし〟でよいではないか。

〝貧乏〟についての本も数あるが、視野を広げ世の中を強く生きるための処世術を知らされる。人々の底辺を知ることで、教えられることも沢山あるのである。

とことん自分の力で生きようと信念を持ち、人生を愚痴らないことで、明るい貧乏人にならなければなるまい。

それには〝自助努力〟。今より一段二段下げて生活、これは努力である。真の貧乏人はこの努力ができるのである。

明日も元気で生きる保証などどこにもないと知れば、必要最低限で背伸びしないことだ。しかし義理を欠いてはいけない。世間を狭くして生き辛くなるだけである。