長い間生きてきた母が亡くなった

ヘルパーがとろみ食をくれていた

舌が反転する後ろへ

すると同時に息をしなくなった

頸部を触れると

まだ生温かさが残っている

呼吸は止まったままだ

 

ヘルパー 妻 息子の前で亡くなる

理想といえばそれまで

ヘルパーさんは青い顔のまま

私が母を殺してしまったのではと

慌てて看護師 医師に連絡

訪問看護のため

医師はすぐには来ない

次の動きがとれない

死亡診断書が出ない限り

次の動きがとれない

 

人は弱い者

人が戦争に行き

人を殺せるものなのか

骸をも見て殺せるものなのか

 

昔戦争経験者は

酒を飲みながら

戦争体験を懐かしそうに語った

 

過ぎてしまえば

戦争も懐かしいものなのか

 

戦死した人々はどうなのか

弔慰金をもらい

それだけで良いのか

 

殺し合いは良いのか

 

戦争は永久不滅にいけない

戦争経験のない私が叫んでも

説得力のない話だ

 

ただ心底言えることは

戦争は人を変えてしまうこと

性格を変えてしまうこと

一時の悪夢に身を委ねて

しまうことがいけない

 

今の戦争は地球を破壊しかねない

人の心奥に潜む良心を信じよう

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