ピンクのボタンダウンのシャツにカラフルなチェックのネクタイをしたり、金ボタンのブレザーに千鳥格子のパンツを合わせたりするファッションが流行っており、遊び方も派手でヨットを持っていて逗子マリーナに遊びに行くとか、北海道にスキーに行くとか、沖縄にダイビングに行くとか、チャラチャラしていた。
とても楽しい人たちばかりだったが、みんな口がうまくて調子がよかった。遊びに行ったり、食事に行ったりするのは楽しかったが、真剣に付き合う相手はいなかった。
一方、しずかのところには次々とお見合いの話がきていた。そのころ母の友人にはいわゆるお見合いおばさんがたくさんいて、お嬢様にと写真と釣り書きが山のように送られてきていた。
そんなお相手の方々は堅い職業の人ばかりで、白いワイシャツに紺色のスーツしか着ないような人たちだった。何度かお見合いをしたが生理的に合わない人が多く、また会いたいとは思えなかったので断り続けてしまった。
それが当時の結婚適齢期であった二十四歳を過ぎるころから、次第に今度は相手から断られることが多くなってきた。
そのうち、お見合いの話も歳がかなり上だったり、髪が薄かったり、身長が高くなかったり、あまり気が進まないような話が増えてきた。
二十五歳を過ぎると売れなくなるといういわゆるクリスマスケーキ現象だった。
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次回更新は6月23日(日)、21時の予定です。