『お医者さんによって、背の高さも違うからね』って。診察台には厚めのペットシートが敷かれている。『診察台は冷たいから、みんなびっくりしちゃうからね。ハル君、ちょっと太り気味かな?』って体重計の目盛りを見て笑われちゃった。

診察が始まると、『これがハル君のお腹の中』とかモニターで説明してくれて、卵ちゃんたちにいろいろ、解説したり、どう思うとか聞きながら。そしたら『大丈夫だよ、でも、一年に一回は定期健診に来てね。本当は年二回がいいんだけど』って。

でも、診察の前にもっともっと驚いたのは、メグ先生、診察台のハルと同じ目線で話し込むの。私の話も聞いて、そうかそうかって、顎下を撫でて、そのうち全身触りまくり。ハルもすぐクネクネし出した。

『俺たちは注射とか痛いこともするから、みんなに嫌われちゃうんだ。だから、こうして、仲良くしようとしてんだ』って。

そしたらハルの匂いを嗅いで、『ちと臭うかな? 熱もないようだし、診察の前にひとっ風呂浴びようか』って、内線かけて、『いま暇?』って聞いたの。

立て込んでいない時はトリマーの由美さんが初めての患者さんに限って、汚れてる子とか臭う子をタダで洗ってくれるんだって。どおりでシェルターの子たちがみんな綺麗なわけよ。

私の場合は、トリマーの由美さんが忙しい時で、『じゃあ、俺が洗うよ』って、メグ先生。

待合室を通る時、『ああみんなこの前、お風呂したよね。まだ、次の予約のマルちゃんまで時間あるけどいいですか、早く来て頂いたのに少し待っててくれますか。ちょっと、クチャイ子がいるんで』って言ったら、飼い主さん、『気持ちいいらしいわよ、行ってらっしゃい』って。

『うちの子、ここのキャットウォーク大好きで、いつも予約の時間より一時間は早く来ちゃうの』やっぱり予約の相当前から来ている飼い主さんもそう言ってる。

えっ? 猫も洗っちゃうのって思ったら、『カナちゃんも一緒に来て、ハル君も安心するからって』って言われて、先生とトリマー室に行ったの。…」

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