1 外資系でよく見かける社員

キャリア・アップ、ジョブ・ホッピング

外資系で比較的転職が多いのも、右記のようなことが関係しているかもしれません。そのなかでもっとも極端なのがジョブ・ホッピング(Job Hopping)です。

こういった人たちは、日本人であると外国人であるとを問わず、自分のキャリア・アップのために数年で転職を繰り返します。しかし、あまり極端な人は外資系であっても好まれないようです。なお一つ注意すべきことがあります。それは、キャリア・アップのつもりが逆になってしまうケースです。

地位を高め、より大きな権限を獲得し、収入を増やすつもりで転職するのですが、実際は今までより会社の規模も小さく、権限もあまりなく、さらに外国人が仕切っている会社に転職してしまい、収入も結局は大して変わらず、自分の経験やスキルを活用できなかった、といったことがあることです。キャリア・アップ計画はすべて計画どおりになるわけではないのです。

最後に、ジョブ・ホッピングは立派な英語ですが、キャリア・アップは立派な日本語です。ちなみに私たちがよく使う何々アップという言葉ですが、英語ではなく日本語のことが多いので注意が必要です。

まとめ

この章の要点はつぎのとおりです。

†目‌標を達成するためにはどうしたらいいかをまず考えて行動する人、固定観念にあまりとらわれない人、ビジネスライクに仕事をしたい人が外資系には多くいます。

外資系で評価されるポイントは、建設的な態度や考え方と論理の飛躍のない理由づけ、わかりやすい説明です。

†英‌語はコミュニケーションの手段です。大事なのは英語もできること。そして日本語で話す内容を英訳して話すのではなく、どうしたら外国人が理解できるかを考えて、その内容を英語で話すことです。

†外‌国人の話す英語がわからなかったら、遠慮せず何回も聞き直すこと、わかっていないのにわかったような態度をすると、後で問題が生じることがあります。

†日‌本の会社では、社員は本社や上司の指示を忠実に実行しようとします。外資系では、指示の内容をまず自分で考えてみて、よりよいやり方があれば、それを本社や上司に積極的に伝え、採用を促します。