第一章 元気になるってどういうこと?
人間のからだは工場よりすごい!!
例を挙(あ)げれば手は、何かを取ったり、物を動かしたり作ったりしますが、触ることによって熱さや寒さを感じます。また、痛みを感じたり、体重や物を支えたりすることもできます。
これらは手の皮膚に神経があったり、骨や筋肉、関節などが内部にあり、それらをうまく動かすために脳が感じたり指令を出したりしているからです。
手足だけではなく、耳には聞くというはたらき以外にも、身体の傾きやバランスを調節する機能があります。
内臓も肝臓なら栄養を一時的に保管しておく機能や、アルコールなど身体に対する有害物質を無害にするはたらきなどを持っています。
内臓のはたらきの多くは自覚なく反射というしくみで行われています。しかし、これも身体が作用し合って最終的には脳が司令塔となってはたらいているのです。
それぞれの臓器や身体の器官で行われている作用を人工的に機械や実験で行うことは、部分的には可能です。
しかし、それはほんの一部分についてであり、1つの臓器や器官の役割をするものを人工的に作ったり、ましてや脳を作ることは現実的には大変難しいと考えられています。
なぜかといえば、それを行うにはとても巨大なスペースと費用と時間がかかるからです。そしてまた、人間の身体はまだ解明されていないことも多く、特に脳については未知の部分が多いとされています。
人間の臓器は巨大な工場のようだという言葉があります。人間はこの巨大な工場のようなものを小さな1つの身体の中にしまっておいて、日々使い続けているのです。これはとても神秘的で偉業だと思います。
その司令塔になっている脳は未知なる部分も含めてさまざまな作業を瞬時(しゅんじ)にしています。しかし、日々使い続けていると脳も疲れてきます。誤作動(ごさどう)を起こしたり、勝手に暴走し始めたりすることもあります。これが病気の始まりとなることも多いのです。
なぜ人は病気になるのだろう
病気とは、「からだの調子がおかしくなり、苦しく感じる状態」です。似た言葉で、けがもありますが、これは「間違って、からだの一部や骨などをそこなうこと」です。