第二章  子どもごころ

ゆったりのんびり

だからこそ、お母さんはゆったり安定していることが大切なのです。赤ちゃんが泣いていても、ちょっとぐらいならそのままにして、大好きなケーキを食べてにっこりしているほうが、赤ちゃんにとっては幸せなことだってあるのです。

そんなことを言っていたら専門家に怒られそうですが、子育てはだいたいでよろしいのです。百点満点のお母さんなんて、子どもにとっては息苦しいだけですから。ゆったりのんびりいきましょう!

冬青(soyogo)

元日の朝から、日課のお散歩に出かけました。寒風吹きすさぶ中、ダウンコートを着込んで、いつものようにブラブラ歩きました。

散歩道の途中には冬青(ソヨゴ)という木があります。私は「毎日会おうね」という意味を込めて、〝約束の木〟と呼んでいます。

このソヨゴは赤い実をつけるので、初めは南天かな~と思っていたのですが、南天はこんなに背が高くは育たないので、植物図鑑で調べたら、ソヨゴであるとわかりました。

このソヨゴは十二月二十五日の誕生花で、濃厚な味わいの蜂蜜が採れる花です。そして名前は葉が風に揺れてそよぐから「ソヨゴ」になったということです。何だか親父ギャグのようですね。

花言葉は「先見の明」。やせた土地や乾燥にも耐え丈夫に育つことから、先を見越し、時代を生き抜く力があるということで、この花言葉になったとか。少しこじつけのような感じもして、花言葉を作る人も大変だな~と思いました。

それにしても、「冬青」と書いて「ソヨゴ」と読ませるセンスが私は好きです。葉が冬でも青いことから「冬青」というらしいのですが、何だか寒さの中にも凜として青を放っているイメージが湧き上がってきます。でも、本当は葉の色は緑色なんですけどね。

文学の中にも、この「冬青」という言葉が出てくるものがあります。例えば、芥川龍之介の『少年』では、「そう云う蟻には石灯籠の下や冬青(モチ)の木の根もとにも出合った覚えはない」や、島崎藤村の『夜明け前(第二部)』では「よく行った神門のそばには冬青(ソヨギ)の赤い実をたれたのが目についたが」とあります。モチノキとソヨゴはよく似ているので、同じ漢字が当てられているのでしょうか。