⑦  心の健康を保とう

最近精神的にぜいじゃくな学生が増えてきていることが、指摘されています。気分がうつ状態になりやすい学生は、以前より散見されていました。きっと気分が落ち込んで、何もできなくなる経験は、誰しもあるでしょう。

多くの場合には、友人たちとの付き合いや、簡単な気分転換で、克服できるものです。このような経験はたいていの方にあるでしょう。また気分の落ち込みの解決策はそれぞれもっているでしょう。

多くの精神科医などの専門家が、その解決策を紹介しているので、詳しいことは専門書に譲ります。簡単に要約すると、健康な心をもつこと、好奇心をもって周囲のことを眺めること、何でも気軽に挑戦してみること、そして何か楽しい趣味をもつことなどが大切です。

特に自分を卑下することなく、小さなことにこだわらず、くよくよしないで、小さなことでも満足することに務めましょう。このような健康心をもつことに、心配りしてはどうでしょうか。このことは医学部学生に限らず、医学部を受験しようとする高校生、あるいは医学部を卒業した医師など、すべてに共通する大切な姿勢です。

ずいぶん昔になりますが、高校の先生が面白い話をされていたので、ここで紹介します。気分が落ち込んで、どうしようもなくなった時、動物園に行くことを勧められていました。動物園ではたいていサルの広場があります。動物の中でもサルは精神的に発達しているので、人間に近い集団生活をしています。

サル集団にはボスがいて、その周りに家庭を築いている複数のメスや子供たちが群れを作っています。また別のオスが少し集団と離れて、自分の世界を作っています。それぞれに自分の世界の中で仲良く、かつ必死で生きています。