VP62は私たちが慢性疲労症候群の患者、ガン患者それに自閉症の子どもたちから採取した自然界に存在するマウス白血病ウイルスとは、分子構造や成長特性が劇的に異なる。

シルバーマンの研究に何百万ドルも投資したアボット社がVP62に対し血清学テストを実施したが実際には全く陽性反応を探知することはなく、ごまかしが明らかになった。他方私たちがサイエンス誌に発表した血清学テストでは大半の雑多な系統のウイルスが探知された。

VP62にはもう一つの問題があった。VP62は自然分離されたマウス白血病ウイルスよりも少なくとも25倍の速度で複写していくが、その多くはエイズウイルスなどのたいていのレトロウイルスに見られるように正確な複写ではない。

どういうことかというと、もしVP62が自然分離されたマウス白血病ウイルスの近くで存在しておれば、どんどん侵略する形で急速に広まることになる。

2011年に私たちはVP62とマウス白血病ウイルスは共にエーロゾル化する性質があることを発見した。すなわちちょっとした気流の流れがあれば空気中を漂うことになるということだ。腐敗した科学を守ろうとする連中は同じ施設にそれぞれのサンプルを保管すれば、VP62を放置することであたかも殺し屋のように自然のマウス白血病ウイルスを破壊できると考えたに違いない。

私が懸念していたのは、ワクチンのために毒性を弱めたウイルスを作り出すためによかれと努力した結果、新しい問題を作り出してしまったのではないかということだった。

科学者たちは人間と動物の細胞組織をごちゃまぜにすれば、動物のウイルスを人間に感染させるリスクがあるという問題をきちんと検討したのだろうか? あるいはこのような動物のウイルスがヒトウイルスと結合して、新しい病原体を作り出す可能性を考えなかったのか?

フランクはこのテーマを真剣に検討しており、2011年の夏も私たちはサンプルを入念に調べ、マウス白血病ウイルスが含まれているが、シルバーマンのVP62の分子複製は含まれていないことを明示して、懸命に研究を続けていた。私たちは繰り返し実証した。

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