「店は居抜きで買ってもらうから、私が居なくなるだけなの。孝さんに会うのは今日が最後にして。会ったらあとを引く……」
よし子はもう語り終わったというように、孝介の体に腕を巻きつけて目を閉じていた。
「ねえ、もう一回して、帰るまでにもう一回」
孝介は胃の辺りがぎゅっと固くなった。
病気だと分かったよし子の体の中に入れるか。
何も言わず、よし子の体を抱えていた。
店を居抜きで買ってくれた人はよし子より少し年上で、もっと商店街のはずれで店を開いているので、表通りに出られるのをとても喜んでいるそうだ。
「でも、男の人一人じゃ、やっぱり大変だから、手伝ってくれる女の人を探しているの」
「よし子が元気になったら手伝えばいい」
「男の人よ。孝さん、焼かないの?」
孝介はよし子を転がした。
焼きもちが焼けるくらい元気になってくれたらいい。よし子は耳元で、もう一回ねとささやきながら、孝介の股間に手を伸ばし、丁寧に指を動かした。それから口に含み、舌をゆっくりと這わせた。しっかり立ったのを確かめてから孝介の腹に股がった。孝介の腹の上で、丸い腰がゆっくりと揺れる。
「ああ、いいわ、いきそう……」
「いけよ」
「何回も、いきそうよ……」
「何回もいけ」
よし子の乳房が重たげに揺れる。
悶えるように体が動く。
「止まらない、溶けそう……」
孝介が体をしならせて突き上げる。
「孝さん!」
激しい喘ぎの中にひそやかな嘆きが交じっている。
「まだよ!」
死んでも良い……
【前回の記事を読む】店が潰れるという噂に足を運ぶと「抱いて」と柔らかい体が絡んできて…