第1章「風水家相」の世界

風水と家相の違い

代々、皇帝のために使われてきた風水ですが、時を経て貴族から一般庶民へと広がりました。そして、中国から伝わった風水がより日本の気候風土や文化に合わせてアレンジされていきました。

江戸時代には、日本独自の住居の吉凶判断法に九星術といった方位学の要素を加えた、気学による「家相」が生み出されました。家相は風水に比べると新しい学問ですが、大正時代に園田真次郎という人が唱え、すでに100年近くの実績があり、その効果は立証されています。

風水は「環境学」ですから、環境の違いによって形が変わるのは当然です。

今やアジアだけでなくアメリカやヨーロッパでも人気が高く、世界中でその効果が認められています。そして、アメリカでは「アメリカの風水」、ヨーロッパでは「ヨーロッパの風水」というように、その国の環境、気候や文化に合わせて発展し続けています。

日本と中国では気候や生活様式が異なります。冬になると、日本の季節風は北西から吹きますが、中国ではシベリア、オホーツク海方面から厳しい東北の風が吹きます。また、家の造りを見ても、日本の家は玄関に靴を脱ぐための土間があり、部屋には寝転ぶことができる畳もあります。一方、中国では靴を履いたまま家に入るので日本のような玄関スペースはありません。床に座る習慣もないので、完全にイスでの生活になります。

このような気候や文化の違いがあり、中国の風水をそのまま日本の家に持ち込むには少し無理があります。

風水と家相において、「住まいの気を整えることで人は健康になり運気が上がる」という考え方はどちらも同じです。ただし、家相は風水を日本風にアレンジしたもので、その手法には違いがあります。風水と家相の違いを簡単にまとめると次の表のようになります。

私たちが求めるのは、「住みやすく快適な家」「住むことで運気が上がる家」。そんな真の開運ハウスを手に入れるには、中国の風水と日本独自の家相、この2つを柔軟に取り入れた家づくりが必要です。