第1章「風水家相」の世界

風水家相の世界へ導かれた父の経験

占いに興味がある方ならば、一度は自分の手相を調べた経験があると思います。手相とは手のひらに出る線の形から、運勢を占うものです。家相とは、「家」の「相」と書くように、家の形から住人の運勢を読み解いていくものになります。

特に家の状態が悪いと、健康面で顕著に現れてきます。なぜそのような現象が現れてくるのか……それは、長年住み続けた家の「気」と住人の持つ「気」が同調しているからだと考えられます。

ここで実例として父の話をしましょう。

実は、父はもともと、目には見えない世界など全く信じていない人でした。そんなものは存在しないと頭から否定していました。でも、ある大きな出来事をきっかけにして、現在のように風水家相の世界に身を置くようになったのです。

それは今から40年以上前のことです。当時30代前半だった父は、自宅の一部を壊して自分の書斎を作りたいと考えました。しかし、祖母がこう言ったのです。「あのね、家は怖いのよ。何の考えもなしに壊したりしたら大変なことになるよ」と。

そうしてある日、家相を見てくれるおばあさんを家に連れてきました。

その方が忠告するには、「今、この壁を壊したら、 あなたの体に2度メスが入りますよ。絶対に壊してはいけません」とのこと。しかし、父は全く信じることなく、「やれるもんならやってみろ」と言わんばかりに家の壁を取り払い、自宅のリフォームを始めたのでした。

それから3ヶ月後、父は嘔吐と激しい腹痛に襲われ、病院へ緊急搬送されました。病院でお腹を切り開いてみると、腸がねじれていて「腸捻転」という病気であることが分かりました。

数ヶ月の入院後、家に戻ってきた父でしたが、すぐにまた腸がねじれ、結局2度、お腹を切る手術を受けました。