■谷川俊太郎『二十億光年の孤独』4(一部引用)

▲万有引力とは

引き合う孤独の力である

宇宙はひずんでいる

それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨らんでいく

それ故みんなは不安である

■孤独だから「帰るべき匂いがする」『家』に戻れる。それはまるで万有引力に導かれるように……(情緒的だが)

二人称(私とあなた)という最も居心地のいい場所5に帰るのだ。

○人は帰りたい場所に帰る。母にとってこの我が家が「帰りたい場所」であったことをうれしく思った。6


1 以下を参考にした。BRAIN and NERVE 63巻8号 (2011年8月発行) 医学書院

2 大井玄 「痴呆老人」は何をみているか 初版2008年  新潮新書 pp.96-97

3 シャーリー・Y・マニング著 (荒井秀樹監訳 黒澤麻美訳 )「境界性パーソナリティ障害」星和書店 初版2014年 p.101。

4 谷川俊太郎「二十億光年の孤独」創元社 初版1952年。これ以降複数の出版社から発刊されている。

5 森有正「古いものと新しいもの」 日本基督教団出版局 初版1975年 pp.150-151。森は「二人称の関係は最も心地よい関係」と述べる一方、「そうだからこそ新しいものに向かって自分を拓く可能性を殺す」とも述べている。

6 この項のデータは、李牧遥(りぼくよう)さんから提供され、東京家政学院大学大学院の修士論文にも一部が使われた(指導教員:西口守)