倉敷市内篇

酒津の桜は咲きはじめ 2011年4月3日(日)

取水池の周囲は、まだ満開には程遠かったのですが、桜はちらほら咲いていました。池の西のほとりには柳の花が咲いていました。石川啄木の歌を思い出しました。

「やはらかに柳あをめる

北上の岸辺目に見ゆ

泣けとごとくに」             

歌集『一握の砂』(明治43年・1910)

土手の下の街灯につけられた表示に気付いて地面を見ると、木材のチップを利用した舗道になっているのでした。確かに足の裏への当たりが軟らかい気がしました。このあたり、花見客もちらほら。

この桜並木は、私が幼いころに見た桜とは代替わりしているようで、昭和50年ごろに植樹されたというのだから、うちの子どもたちとほぼ同じ樹齢。

そういえば、子供たちが小学校時代に遠足に来たときは、まだ木も若木で細かったようですが、今や立派な成木になっています。いつもは桜祭りのぼんぼりがもう設置される頃ですが、今年は東日本大震災の影響で設置しないようです。

取水口の近くに小さなビオトープができていました。3つの小さい池を少々いや大いに無粋なU字溝でつないでいました。ホタルが生まれるといいなあ……。

屋台が出ていたので食事を済ませて行ったのですが夫とタコ焼きを買い、川(酒津から流れ出す農業用水)を見ながら食べました。これがあまり売れないせいか6個500円もしたのに発泡スチロールの箱から取り出してくれたので予想通りぬるめ、「やっぱり焼き立てをハフハフ言いながら食べるのでないとおいしくないねえ」。

次いで農業用水にかかる橋を向こうに渡るとつい浮かれて夫はイカ焼き、私はフランクフルトを買って食べながら歩きました。(ごみは持ち帰りました。)人工の小川が作られていて、まだ少し寒いというのに子供たちは裸足になって川に入って遊んでいました。いいなあ。

キャンプ用品のテーブルやいす、中には簡易テントまで持ち込んで焼肉などをしている人もいたので昔はなかったこちら側の広場のほうが大勢の人で、まだ満開のころのどんちゃん騒ぎはないものの、結構にぎわっていました。会社単位と思われる、広いブルーシートに社員らしい人が大鍋におでんなどを仕込んでいる風景も1カ所見られました。

それにしてもお花見に焼肉のにおいが漂うのやらどんちゃん騒ぎは似合いません。やっぱりお弁当を静かに食べて周囲に迷惑をかけないでほしいなと思います。

最初に車を止めた取水池からは、我が家の横へも流れてくる農業用水が流れだしてきているのでした。夫はここで小学生のころには傘を逆さにしてカンナギ(うなぎの稚魚)を取っていたそうです。今はひっそりとしていました。

来週あたり、まだ桜が散っていなかったらここらあたりも人だらけになることでしょう。