四番目のタイプは、いわば外国人的な日本人です。外国人的な日本人とは、発想や考え方、着眼点、類推の仕方、重要性の判断基準、説明の順序や方法、結論に至る筋道などが一般の日本人とかなり異なり、どちらかというと外国人に似た人たちです。こういう人たちが外国人マネジメントの受けがいい理由は改めて説明するまでもないでしょう。
なお、外国人マネジメントには受けがいいけれども、日本人マネジメントや社員、販売店や顧客の受けはもう一つ、という日本人を見ることがあります。今後の会社の業績や成長を考えた場合、どちらがいいのか難しいところです。
ウォーク・ザ・トーク
日本の社会では、一般的に口数の多い人よりも口数の少ない人を高く評価する傾向があります。口数の多い人は、言うだけで実行がともなわないことがあるからでしょう。「それじゃあ風呂屋の釜だ、湯だけだ」などと皮肉られることもあります。
それに対して、口数は少なくてもやるべきことは黙々とやる人のことを不言実行などと誉めそやすことがあります。まさに以心伝心や不立文字などの四文字熟語が示すように、あれこれ細かく言わなくても、ちゃんとわかって実行することがいいことだと思われています。
以心伝心や不立文字などはもともと仏教用語で、文字や言葉に表して教えを受けなくても、刻苦勉励の末に先達や師匠の域に達することができた際に使われる言葉ですが、一般社会では暗黙のうちに了解することを指すようになっています。
これはしかしほとんどすべての人たちが、同じような考え方や見方をしている社会だからこそできることです。細かく説明しなくても、ほんの少しの説明で全容を理解できるような人たちのなかだけで通用することです。つまり日本のような社会だから通用するのです。
右記のような潜在意識を持っている日本人が外資系に就職して、同じような意識のままで外国人マネジメントに対応すると、マネジメントとの間にコミュニケーションのギャップが生じます。日本人相手であれば言わなくてもわかることが、外国人相手では理解してもらえないのです。
【前回の記事を読む】「英語ができないと外資系で働くことは無理なの?」という質問に対する回答
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