幼少期

福岡県の幼稚園

ある日、登園したら、友だち数人が足元を見ながら何かを取り囲んでいたのです。その場に行ってみると、そこには息絶えたスズメがいました。そこから先、幼稚園の先生が教えてくれたのかどうかは覚えていませんが、私を含め3人で穴を掘り、そこに埋めて、墓標として石を据えました。幼稚園の入り口から一番奥の高台になったところです。

衝撃が走ったのはそれから何日かしてからです。3人でお墓参りに行くと、墓標の石の前にスズメが通るくらいの穴がぽっかりと開いていたのです。その光景に目が釘付けになってしまいました。そして、しばらくすると、3人はお互いに目を合わせた瞬間、誰かが、「スズメが地獄に連れて行かれた」と言い出しました。

その発言の主は一緒にいた友だちかも知れませんし、わたしかもしれません。記憶のなかではそれがはっきりしませんし、確かめようもありません。この頃を思い出すと、ピンキーとキラーズが歌っていた「恋の季節」という曲と「青空に飛び出せ」というドラマのことが必ず浮かんできます。

しかし、ネットで調べるとこの曲がヒットした年はもっと後のことで、ドラマはその翌年放映されたようです。なぜだか、記憶違いが起こったようです。

鹿児島県の幼稚園へ

父親の仕事の関係で、福岡県から鹿児島県に引っ越すことになりました。現在は新幹線がとまる駅となったところのすぐ近くにある幼稚園に半年だけ通いました。

駅前には大きな看板があり、それはなんて書いてあるのかを親に聞いたら、「ラドン温泉」と書いてあることを教えてくれました。映画に出てくる怪獣の名がまさしく「ラドン」であったので、子ども心にどういうところなのかがすごく気になる場所でした。

ここでは、山からの火山灰が降る光景も見させてもらいました。晴れているのに親があわてて洗濯物を取り込んだりしているのを見たこともあります。車の上に灰が積もるのを見て、不思議に思ったものです。