第1章
2 企業の目的の2つ目は、「人を育てる」こと
2つ目の目的は、「人を育てる」こと。
会社の活動の、全てが「主役は、人」である。確かに機械・設備が表面的には目立つ場合があるが、扱って操作しているのは人間。この主役の「人」に対して最も多くの時間とお金をつぎ込むのが自分の信条である。
「人」の活躍を左右するには、「やる気」「やりがい」「頑張り」「意志」「信念」「チームのベクトル」……とモノを扱うのとはまったく異なる要素がたくさんある。
人を育てて、「人財、チーム」になってもらい機械・設備などのアウトプットとはまったく異なる活躍を願っている。また、この人財育成、活用の差が会社の実績に大きく効いてくる。
マネジメントの役割は、この人財パワーを如何に大きく、引き出すのかが重要と思う。
機械・設備は計画した動きを故障がない限りは、期待通りにやってくれる。しかし、期待以上のことはできない。
従来以上の成果を上げるためには、人間の関与、活躍が不可欠となる。いくらAIが活躍しても、データ収集の工夫、活用の仕方の工夫、得られた結果の吟味を次の決断に結び付けるのは「人」となる。
1人ひとりの「問題点を見つける力」「気づく力」「応用して考える力」「チーム、関係者で合意して活動を決める力」……というように人間の活躍舞台はいっぱいあり、その主役の「人」を育てることは、企業として大切であり、改善活動を継続したものとするためにも不可欠である。
3 「モノづくりの現場」での「儲け方」のポイントは 「効率を上げる」こと
企業としての「儲け方」はいろいろあるが、この本では「モノづくりの現場」をベースに考えて書き続けたいと思う。
モノづくりの現場でのポイントは、「効率」を上げること。
即ち、効率(生産性)=アウトプット/インプット、生み出すもの(生産量、額)/使うもの(人、時間、設備、費用)。分母をできるだけ小さくすること、分子を大きくすることと単純に考えてもらえば結構。
それぞれの要素を、変化させるためには過去、現在の状況を観察し、その中からありたい姿との比較で問題点を見つけて、その変更を狙うか、要因まで遡って変更して効率を上げ、儲けを大きくすることとなる。
この活動が、一過性でなくて日々、日常的に「クセ」のように続く状態を作り上げ、維持することが大切となる。