【前回の記事を読む】資産家は、資産家の仲間を持っていた。資産家との交流で築いた強力な人脈

Chapter 01 キャリアを「天職」にする

~経験を重ねることが人生戦略の第一歩~

③銀行員の価値観を変える

◎ライフスタイルの見直し→「シンプル化」に全力投球

バブルが崩壊する中、『幸福論』をイメージしながら、しごとと並行して、ライフスタイルの見直し、「シンプル化」(P111参照)に全力投球した。いろいろな困難や不安(異動・転勤、バブルの崩壊、銀行支店長、親の介護、阪神淡路大震災、銀行の合併、銀行の国有化)を乗り切ったのだ。

 

◎顧客に喜ばれる

しごとでは、いろいろな相談を積極的に受けた。経営、資金繰り、財産、相続など多岐にわたる。東京、バブル時代は、相談の電話が開店前の店内に鳴り響いた。地域で評判になりNHKの番組「金融最前線」でわたしの活動が紹介された。東洋経済の金融特集でも、「預金+貸出」=預貸和(よたいわ)の伸び率が浅草地域で1番の支店として活字になった。

 

◎顧客に寄り添い、顧客に貢献する

しごとを通じて、問題解決ができる能力を身につける。顧客から「こんなことができないか」「こんなことで困っている」と言われたら「何とかします」が回答になる。

 

顧客に寄り添い、顧客に貢献する。単にモノを売るのではなく心や姿勢を売るのだ。

 

人間も磨かれ、新しいビジネスのヒントも生まれてくる。

問題解決力をつけた人は、将来心配する必要はない。このタイプの人が会社を起こして成功している。まわりもほっておかないだろう。

 

夫婦二人からスタートして、業界第一位になった社長に久しぶりに会った。「大きくなりましたね」というと、社長はにっこり笑いながら「一つひとつ問題解決をしていたら大きくなった」、最後に社長は「大きくしようと思って大きくしたのではない」と従業員500名の収益力のある優良企業になったのである。

「商いは、人並以上に汗を流すこと、ただ汗を流すだけでなく、知恵と才覚を働かせること」「世間の評価を気にせず、自分のしごと、商いに打ち込み精進すること」(三井家家訓)