Chapter 01 キャリアを「天職」にする
~経験を重ねることが人生戦略の第一歩~
④「会社と共生」―「天職」を見つける
◎サラリーマンの特権を絶対に手放すな
「人生戦略」として、若いころから目標を決めて、45歳を人生のハーフタイムと考えて頑張ってきた。そのとき独立することも考えた。しかし、独立するには、以下のような問題点があった。すでに、バブルの崩壊も始まっていた。
サラリーマンは給料のほかに社宅、通勤費、出張費、有給休暇、ローンを組むときなどの身分保証、しごとのスペースが無料など、多くの特権を持っている。何かない限り、その特権は定年まで続く。
仮に、年収が 700万円~ 800万円の人が独立して開業した場合、事務所から事務機、文房具など細かなものも必要となる。総務などの細々した事務なども自分でやらなければならない。おおまかに言えば、年間収入 1500万円~ 2000万円以上ないと、同じような活動はできないのである。
顧客に対しては「カンバン」がないため、名刺の重みも軽くなる。日本では新しい事業をはじめようとしても、役所の規制や許認可など、がんじがらめになっている。税制をはじめいろいろな面で、個人より法人が有利になっているのだ。会社を離れて、個人に戻ると何もかも不利になるといってよい。
日本は世界で、” 開業のやりやすさ ”、では最下位という不名誉な評価がある。
会社(銀行)を簡単に辞めてはいけない。会社(銀行)に寄り添い、会社(銀行)と上手に付き合うことを考えたい。なぜなら、能力や人脈、そして資産つくりでは、会社員(銀行員)という立場が、どうしても必要になるからだ。