米国での超難関といわれる米国ハーバード大学医学部に入学するには、一般大学でほとんどすべてAの優秀な成績が求められます。また医学を学ぶにあたって、必要な知識を有しているかを確認する、共通テストも受けて合格する必要があります。その教科には生物学や物理学、有機化学、心理学、社会学など、医学部進学として必要な科目だけでなく、広く文系の素養も求められています。もちろん前提として英語ができていなければいけません。

米国留学していた際の私の印象では、米国の高校生の中でも医学部を志望している学生は、確かに優秀です。でも日本の学生の方が、学力は高かったように思えます。他方、彼らは大学入学後、医師の資格をとるまでの道のりは、かなり厳しいようです。

留年することもしばしばで、予定期間に卒業するのは、皆かなり苦労しているようです。大学で必死に勉学する結果、おそらく医学生の学力は、日本の医学部生を超えているように感じます。

米国ハーバード大の医学生と、何度も話をしたことがあります。彼らは専門知識を幅広く学んでいるだけでなく、朝から晩までよく勉強をしています。他方、高い授業料を奨学金で援助されている学生がほとんどでした。留年などすれば、奨学金が止められる、と恐れて、皆必死で勉強していました。

極めて優秀な彼らに将来計画を聞いたところ、大学に残って研究者や教員になろうと考えている人は、だれもいませんでした。ほとんどが奨学金返済のため、病院やクリニックで勤めて高収入を得ることを視野に入れていました。いろいろな意味で、日米の学生の考え方や大学生活への取り組みなど、大きな違いがあることを痛感しました。

他方日本の大学生は、医学部入学は難しいものの、いったん入学した後の進学は、さほど難しくなく、多くの学生は学費を親から支援されています。

クラブ活動やアルバイトを含め、自由奔放に生活していることが対照的です。医学部生に限らず日本の大学生は、学費生活費を親に支援してもらっているのであれば、そのことを心から感謝してほしいものです。

また学生時代に自由な時間が多いのであれば、その時間を将来にとってプラスになるように、自分なりの生活設計を立てて、有意義に学生生活を過ごしてもらいたいものです。