【前回の記事を読む】医師としての人格形成に欠かせない、大学入学初年度の教養学科授業
3 医学部教養で自由な学習を
①医学部ってどんな勉強をするの?
周囲の学生と交流することはもちろん、総合大学では人文系を含めて、広く教養学を学習できます。このような機会を利用して、社会人としての教養を深め、魅力ある人格形成につなげてほしいものです。
もちろん大学に限らず、このような学習は高校生、さらにはもっと小さい頃から大切です(そのような学習成果や人格形成を、大学入学試験の面接でも問うているのです)。でも高校生は、受験に追われる機会の多い期間でもあり、教養の本格的な学習は、大学に入ってからになるのかもしれません。
大学で作る友人は、これまでの小中高校の友人とは異なり、同じような目的をもって入学した、同僚や先輩・後輩が多いです。その意味では、これまでとは異なる、全く新しい人間関係を作ることができます。
高校生までは優等生だった人たちも、大学ではこれまでの成績とは無関係で、同じような目的をもった人同士の集まりとなります。就職先などでは、利害関係があるかもしれません。でも多くの場合、社会人になってもお互いに助け合い、支えあっていける、生涯の仲間となりうるものです。同級生との関係は、一生において大切にしてほしいものです。
②日米の違いは
ここで米国の大学の紹介をしておきます。米国では、大学入試はそれぞれあるものの、日本のように一発勝負のことは少なく、多くの場合、高校生時代の成績や活動などで、希望する大学に入学を許可されているようです。
有名大学への入学はそれほど厳しくはない代わり、入学後の進学・卒業は極めて難しく、かなり勉学に集中します。とりわけ多くの米国の大学生は、親からの援助はなく、自活しています。
奨学金をもらっている学生も多く、留年して奨学金が途切れることのないように、必死で勉強をしています。また米国では、高校からいきなり大学医学部に進学するのではなく、4年生の大学を終了後、医学専門学部に入学します。