小説 『魔手 隠密捜査官6』 【第7回】 冬野 秀俊 製薬会社の研究員を乗せた飛行機が、房総半島沖で爆破された。その乗客には両親も——私は、13歳でたった一人取り残された。 【前回の記事を読む】ホテル内に協力者でもいない限り、犯行は不可能…なぜ、私が狙われたのか? 調べてみると、とある部屋の宿泊者情報と……大利家戸清一は、十三歳の時生活が一変した経験を持つ。商社勤務の父角違正造(すみちがいしょうぞう)と製薬会社研究室勤務の母はるが乗った飛行機が、房総半島沖で爆破されたからだった。このとき、叔母なつ子と一緒に迎えに行った妹のふみが飛行場の大混乱に巻き込まれて、ふみは行…
小説 『プリマドンナ・デル・モンド』 【第11回】 稲邊 富実代 優勝候補ほど命を落とす恐ろしい試合――婚約者の出場を知った彼女は母の前で泣き崩れ…… 【前回記事を読む】スパゲッティ、ジェラート、ピッツァ…妹を置き去りにして、祭りを満喫した。しかし妹の体調は……イザベラは歩き出したが、足取りは力なく、目は虚ろであった。後には一人の若い侍女が付き従うだけであった。「姫様、どうなさったのですか?」侍女の声にイザベラは、はっと我に返った。「船着き場は、向こうでございます」気がつくとイザベラは、船着き場とは逆の方角に来ていた。「いいえ、何でもないの。ま…