エッセイ 人生論 短歌 生き方 2020.07.25 忘れたき事のみ多き年なりき 短歌集 生きる 【第13回】 田中 祐子 心かが折れてしまいそうなとき、 寄り添い支えあう、心の歌。 原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 第一章 別離とは 写真を拡大 葉牡丹 写真を拡大
小説 『再愛なる聖槍[ミステリーの日ピックアップ]』 【新連載】 由野 寿和 クリスマスイヴ、5年前に別れた妻子と遊園地。娘にプレゼントを用意したが、冷め切った元妻から業務連絡のような電話が来て… かつてイエス・キリストは反逆者とされ、ゴルゴダの丘で磔はりつけにされた。その話には続きがある。公開処刑の直後、一人の処刑人が十字架にかけられた男が死んだか確かめるため、自らの持っていた槍で罪人の脇腹を刺した。その際イエス・キリストの血液が目に入り、処刑人の視力は回復したのだという。その槍は『聖(せい)槍(そう)』と呼ばれ、神の血に触れた聖(せい)遺物(いぶつ)として大きく讃えられた。奇跡の逸話(…
小説 『高校生SM 』 【第2回】 大西 猛 私の体を滅茶苦茶にしたあの人は、さえない中年の教師だった。前の席の女子が思わず「キモイんだけど」と漏らすような。 あの人は私が通う高校の教師だった。高校は県でも有名な進学校で、周囲を田んぼに囲まれた小高い丘の上にあった。文武両道を掲げる校風で、広い敷地には野球場から陸上競技場、テニスコート、武道場まで整備されていた。特に野球部はかつて甲子園に出場した実績があり、春夏の予選会ともなると、学校中、さらには町の期待を一身に浴びるほど有名だった。あの人とはじめて会ったのは入学して最初の授業である世界史だった。第一印…