俳句・短歌 短歌 2021.08.02 短歌集「命の雫」より三首 短歌集 命の雫 【第1回】 田中 祐子 癌と甲状腺機能低下症を患いながら、戦争の悲惨さ、 命の重さ、生きることの煌めきを詠み続ける92才の歌人。 待望の短歌集第3弾。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 色褪せし芝生を照らす秋の日の闌たけて夕べの広きグラウンド お手玉に入れればシャカシカと音を立てそう茶色のバラの実 ハガキ一枚来れば楽しき日とならむ明るさが吾われを包む真昼間
小説 『夫 失格[注目連載ピックアップ]』 【第20回】 時亘 一肇 夫が2階に上がるたびに走る緊張感。少しずつ、少しずつ、荷物を運び出し、夫から離れる準備を進める…絶対に悟られてはいけない 【前回記事を読む】昼夜問わず怒鳴り続ける夫の声は、ご近所中に広まっていた。遂に家を離れる決心をし、行動することに…女性センターに電話すると、提携する弁護士さんを紹介してくれた。そして後日、その弁護士さんに会いに行った際、「離婚される気はありますか?」と聞かれたので「はい」と答えると、「では家を出ないといけません」と。離婚調停をするにあたり、同じ屋根の下で当事者同士が一緒に生活しているのはおかしい…
小説 『店長はどこだ[注目連載ピックアップ]』 【第22回】 八十島 コト 人間関係を洗うも洗えず迷宮入りか...諦めかけた警部が被害者の家で見つけたものとは 【前回の記事を読む】妻の突然の事故死、明らかになる不倫、間男への復讐、殺人の悔恨..はさておき、部下の女との恋に溺れる一方、昨年の秋から十名たらずになった捜査陣を率いていた大東は、井上との関係者を金沢から外のエリアに広げていた。井上と人間関係を構築していた者は金沢だけに留まらなかったからだ。何せ井上が金沢店の店長に就任したのは、事件が起こる前年の七月だったから、むしろ、彼の人生の中で、恨みを抱く…