俳句・短歌 短歌 2021.08.02 短歌集「命の雫」より三首 短歌集 命の雫 【第1回】 田中 祐子 癌と甲状腺機能低下症を患いながら、戦争の悲惨さ、 命の重さ、生きることの煌めきを詠み続ける92才の歌人。 待望の短歌集第3弾。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 色褪せし芝生を照らす秋の日の闌たけて夕べの広きグラウンド お手玉に入れればシャカシカと音を立てそう茶色のバラの実 ハガキ一枚来れば楽しき日とならむ明るさが吾われを包む真昼間
小説 『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』 【第22回】 三上 ミカン 声のするリビングへ行くと、母の不倫相手が...まだ中学生の私を舐めまわすように見る男は、気軽に家に上がり込むように… 【前回の記事を読む】世田谷区に住み、幼稚舎から名門校に通う由緒正しきお嬢様。父親は私立大学の教授、母親は主婦をしながら事業に取り組んでいる。ダイニングチェアの講評会も無事に終わり、ダイニングチェアは学内に展示された。就活で必要なポートフォリオ用の写真撮影をした後、父に発送することを写真付きでラインするとすぐに返事がきた。とても喜んでくれているのが文面から伝わって、父への自分の気持ちがまた分からな…
小説 『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』 【第33回】 武 きき 手術後、目が覚めた夫。痛みに耐えている姿を見ているのが辛かった。私は手を握って励ますことしかできず… 【前回の記事を読む】工場で棚が崩れ専務をかばった副社長が大けが…。手術は長引き、家族は不安な時間を過ごしていた三十分もすると、顔をゆがめている。辛そう。手を握ってあげるしか出来ない。ごめんね。痛みが、ひどくなっている様子。「丈哉さん、看護師さん呼びましょうね」「いや、まだ大丈夫」見ているのが辛い。私は何をしてあげればいいか分からない。歯がゆい。十一時頃、看護師さんが来て、「痛かったら、我慢しない…