第2章 人間と人生の質を左右するすべての源「思考力」人間力の源
考え方の違い
「とらはいま、幸せかい?」
変人ポーは突然こんなことを聞いてきた。幸せと、不幸せという言葉がある。その定義は人それぞれにあるとして、世の多くの人は幸せになりたいと思っていることであろう。
「いま、あなたは幸せ?」
仮にこの質問にノーと言う人がいるのなら、変人ポー曰く、たったいまから幸せになれる方法があるのだという。
「そう、幸せだと思えば良い。つまり、考え方のスイッチを変えれば良いだけのことだ」
ずいぶんと身も蓋もない話をする、ボクは素直にそう思った。そう思い考えたところでその人の実際の、その不幸な現実問題、環境が変わるわけではないではないか。それを言うと変人ポーはニヤリとしながらこう続けた。
「そう来ると思ったよ。なぜ、その人が先ほどまで不幸せだったかというと、その人の考えが、自分は幸せじゃない、と思い考えたからだよね。その現実問題や環境がどうこうあるのは少し置いといて、その人の思考が何かを意識する、しないも別として、さまざまな要因をすべて取っ払ってとにかく、幸せじゃないと判断を下したからなんだ。
もう一度言うよ。人それぞれの問題は、ここでは置いておこう。いいか?
人の幸、不幸が決まるときというのは、誰か他人に決められるものではなく、その環境が決めるものでもなく、実は自分の心によって決められているものなんだよ」
変人ポーの顔付きが真面目になってきた。大事な話になる雰囲気がボクに伝わってきた。