第2章 人間と人生の質を左右するすべての源「思考力」人間力の源
言葉の力
変人ポーはこんなことも言っていた。
「言霊ってものが古くから日本では信じられてきた」
簡潔に言うと言葉には魂が宿るとされ、良い言葉を発すれば良いことが起きる、悪い言葉を発すれば悪いことが起きるというものだ。古代の日本では「事」の文字は「言」と同義語として扱われたくらいだ。この言霊の力を、バカにしてはならない。
例えば、さっきのAさんBさんの話で言うと、Aさんはよくこんな言葉を使う。
「できない」
「絶対に無理だ」
「もし〜」
「〜だったら良いのに」
「忙しい」
「ツイてない」
「うらやましい」
「時間がない」
「はあ〜(溜息)」
「〜になったらどうするの?」
一方、Bさんはよくこんな言葉を使う。
「できる!」
「やれる!」
「ツイてる!」
「楽しい!」
「すごい!」
「いいね〜!」
「面白い!」
「次、次!」
「〜したい!」
「これからは〜!」
これからはその人の使う言葉に耳を傾けて見ると良い。考え方による違いは、言葉として表れる。それから、逆もまた然るべき話、つまり、言葉を変えるとその考え方もやがて変わってくるということがあるのだ。これは、深層自己説得とも呼ばれるもので、繰り返すことによりそれが自分の現実となっていく事象であり、これもまた真実であるというのだ。
変人ポーは真面目な顔でそこまで話し終えるとウイスキーを飲み干した。