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第2章 東洋医学的施術法によるアプローチ方法

経穴とは何か その探し方

古来、経穴は、全身に、三百カ所以上もあり、それらは12経絡に分類され、その経穴と経穴とを結んで経絡が流れ、生体を維持させている、と考えられてきました。

しかし、最近では、経穴を固定化せずに、多面的・流動的に捉える治療家や理論家が輩出するようになっており、私も、それらを参考にして、経穴とは何かを考えました。

近藤哲二先生は、キムボンハン学説を基に、「経穴とは、体表にある、内界と外界との交信箇所であって、その数は星の数ほどあり、その場所は、筋肉傾斜にある」と、いわれています。気の受信と気の操作を、治療の根幹とする近藤哲二先生らしい理解です。

又、()()(けつ)理論の延長として、体表を触ったり、さすったり、押したりして、その刺激を心地よく「ア~コレコレ」と感じる箇所が、経穴であると考える方もいます。奇穴とされてきた経穴や、「新しく発見された」とされる経穴も、この類いです。又、入江靖二先生著 深谷灸法 6頁以下に詳述されている経穴理論は、名言が多く、大変参考になります。

私は、触診によって得られる指頭(しとう)の感覚の延長、つまり腹診と背部診と脊椎左右の多裂筋の、硬結や陥没やザラツキに、「他の部位とは異なる感覚」がある場合、そこに経穴の存在を感じとります。

12経絡の流注に沿って指頭(しとう)を滑らせて行くと、患者さんの体から「ここが気持ち良いよ」という声なき声が聞こえてきます。そのような感覚を覚える場所が経穴である事が多いのです。

経穴は、それが属する経絡の流注を大きくそれる事はありませんが、入江先生の言われる通り、患者さんの体調や病症の進行度や日々の体調変化等による状況変化に伴って、経穴は動きます。それを如何にして察知して運用するかを決定できないと、よい治療はできません。

又、流注上の経穴を連動させて治療効果を高めるために、「イオンパンピング」が会得できれば、著効が得られます。唐突に思われる治療法かもしれませんが、別途その方法を詳述します(242頁参照)。結論として、経穴とは「鍼灸指圧による刺激により、気を抜き取ったり注入したりして気の流れを、病気から正気に戻すのに有効な、体表にある無数の反応点である」と、私は考えます。