【前回の記事を読む】家事や育児を“してやっている”ではなく“一緒にさせて頂く”くらいの謙虚さを

第1章 パパを取り巻く現状

現代の子育て事情

◉現在の子育て環境は異常?

私達の祖先は20万年前に誕生し、そこから長い間、子育ては集団で行われてきたと言われています。赤ちゃんは複数の女性の母乳を飲み、複数の大人の目で複数の子供が育てられました。

20世紀、昭和まで続いた三世代同居生活が終わり、核家族が主流の現代。子どもが接する大人は、親か学校や習い事の先生が殆どだと思います。もちろんインターネットからの情報や、オンラインでのコミュニケーション量自体は増えているでしょう。しかし、直接接する大人の数が少なくなると、子供のコミュニケーションの幅が限られてしまいます。

これが多種多様な大人と接する双方向のリアルコミュニケーションの機会を減らし、多様性に欠ける子供を生み出すような気がしています。更にコロナの影響でリアルのイベントが激減しました。子育ては親の責任ではありますが、このような環境では我が子しか見えなくなるのも仕方がないかもしれません。

複数の子供を複数の目で育てる。親も子供も、地域で育て合う環境で、多様性に富んだ経験を積める環境が必要だと思います。

◉親自身の課題の分離が出来ているか?

子育てをすると自分の課題と他人の課題がごっちゃになりがちです。例えば子供が学校の宿題を忘れた。そのことで、親はイライラする。こんなシーンはありませんか? 私達は何にイライラしているのでしょうか。

やるべきことをちゃんとやっていない子供の未熟さをたたき直したい? 宿題を忘れる子のだらしない親として世間から見られたくない? そのイライラは、誰の何の問題によって起きていますか? 

つい家族に起きた全てのネガティブなことに反応してしまう。もしかすると、合理的な反応ではないかもしれません。子育てをすると、どうしても親が子供と同質化しがちです。確かに親は子供の成長に対して責任はあります。ですが、親には親自身の世界があり、子供には子供の世界があります。

極端な言い方をすると子供は所詮他人です。イライラして気持ちが乱れそうになった時は、「誰の何の問題か」を思い出してみましょう。