【前回の記事を読む】「極端な言い方をすると子供は所詮他人」親には親、そして子供には子供の世界があって…
第2章 即実行出来る学び方のコツとは?
ゆーき:いかがでしたか。家の中でイライラする原因が分かりましたか?
やるき:はい。欲求の部分は、見落としていました。また、男性脳と女性脳の違いも理解出来ました。ではここから具体的な対処法を教えて下さい!
ゆーき:やるきさんは前向きで、これからが楽しみですね。具体的な方法をお伝えする前に、実行に移しやすい学び方を確認しましょう。
出来ているところに注目しているか?
円が2つあって、一方は完全な円。もう一方の円は一部欠けた円。気になる円はどちらでしょうか。恐らく多くの方は、欠けた円の方が気になるのではないでしょうか。人間どうしても、欠けている所、短所に気が行きがちです。
13歳~29歳を対象に内閣府が実施した『平成26年版子ども・若者白書調査(2)』注1によると、「自分には長所がある」と回答した日本人の割合は68.9%と、調査に入っている先進主要7か国の中で、最下位の数字でした。日本人は、自分の強み、出来ていることより、弱み、出来ていないことに注目しがちな国民と言えるかもしれません。
意外と思う方もいるかもしれませんが、私達は本来出来ていることの方が圧倒的に多いです。朝起きて出勤し、仕事を終えて帰宅するまでをイメージして下さい。着替え、トイレ、朝食、歯磨き、身支度、準備、通勤の移動、会社のパソコンの電源を入れる。ほとんどが出来ていることだらけです。しかしプレゼンが上手くいかなかった、上司に怒られたなど、ほんの一部の出来ていないことが気になって仕方ありません。
僕もこの気持ち、本当に良く分かります。上手くいかなかったプレゼンに後悔し、“ああすれば良かった”など、過去のことを何度も振り返って、落ち込む。このように出来ていないことばかりに注目し、ダメ出ししていました。
確かに、出来ていないことについては、客観的に考え、今後の対策を考える必要があります。しかし、出来ていないことだけに注目してまうと、自分自身で余計なストレスや、ブレーキをかけてしまいがちです。特に新しい取組みやチャレンジをする際に、出来ていないことに直面すると、“自分はまだまだだ”とか、“出来ていないことが多過ぎる”と自己嫌悪に陥りがちです。
もちろん出来ていないことを改善する必要はあるかもしれません。ですが、だからこそ、まずは自分の出来ていることに注目することが大切です。その上で、ニュートラルな気持ち、状態になって、出来ていないことに着目すると、ストレスによる過剰な自己嫌悪から避けることが出来ます。
注1『特集1 自己認識─平成26年版子ども・若者白書(全体版)−内閣府』https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26honpen/tokushu_02.html