第二章 枯れ木
お前はマムシ 2
だから言ったよ
「山におかえり」と
お前を見つけるとお爺やあの子たちを守るために
殺さなくてならないと
草を刈った後は
まるでスケーティングをするように滑らかで
視界は360度 蛙も容易に見つかるかもしれない
だけど お前の居場所にしてはいけない
見つけてしまったじゃないか
その大きさや やっと見つけた蛙を
口から離せない姿はまだ子どもだろう
お前の武器の口がふさがれているじゃないか
人の気配がわかったら
獲物を諦めさっさと逃げたらよかったのに
たとえ鎌首もたげて抵抗しても
見つけた限りこちらも戦闘モードだ
お前を逃がすと来年には何匹になっている?
だからやっぱり見逃せなかった
謝らないよ
私は人間でお前はマムシ
私の領域に侵入したのだから
優しくはなれない