①土地を利用する際に関わる法律

土地の上に建物を建てる、土地を一定量以上削る、一つの土地を二つ以上の土地に分ける、土地の地目を変える(例:もともと畑だったところに家を建てるために「畑」から「宅地」に変える)、などのときに関わる法律です。以下に代表的な法律を記載します。

都市計画法は、土地が勝手に開発されて、街全体の健全な発展を乱されないようにするために、建物を建築することができるエリアを定め、エリアごとに建てられる建物の種類・規模・用途などを定めています。

また、建物の建ぺい率(敷地に建てられる建物の表面積のことです。)や容積率(敷地に建てられる建物全体[各階]の合計面積のことです)、防火対応(万が一火事が起きた際の延焼防止や風通しの確保のことです)に関することや、建物を建てるために土地を削ったり・土地を分けたりするなどの開発をする際の手続なども定めています。

国土利用計画法は、土地がお金目的で取引され、乱れた開発が続出することを未然に防ぐために、一定規模以上の土地について、売買などの取引をする際の手続などを定めています。農地法は、日本において農地が限られた資源であり、かつ、米や野菜を安定的に生産・供給するために、農地を農地以外のものにすることを規制しています。

そのため、田畑などの農地を宅地に変える際の手続などを定めています。なお、農地法に関連する法律として生産緑地法があります。この法律では、農地のうち、生産緑地として指定された土地は、指定から三〇年間税金を安くするという税制優遇を行う制度が設けられています。

この生産緑地の指定は法が施行された一九九二年(平成四年)に行われたものが大多数あり、二〇二二年には指定期間が経過するため、多くの農地が宅地などとして世の中に供給されると予想されています。

②建物を建てる際に関わる法律

土地上に建物を新築する、改築する、増築する、などのときに関わる法律です。以下に代表的な法律を記載します。建築基準法は、建物の建築についての基準を定め、建物の安全性や住み心地などを確保するための法律です。

例えば、先ほどお話しした、土地を利用する際に関わる都市計画法で定められたエリアごとに、建物の具体的な使い方(住宅や商業施設、工場など)や、その使い方ごとの高さ、階数、面積などを定めている他、建物の安全確保に関する基準、万が一の際の防火や風通し、避難に関する基準などについても定めています。

また、建物を建てる際の手続なども定めています。長期優良住宅の普及の促進に関する法律は、住宅の解体などをする際に出される廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を減らすと共に、建て替えに伴う費用の削減によって負担を軽減し、より豊かでより優しい暮らしへの転換を図ることを目的とする法律です。

長期優良住宅の認定基準として、劣化対策や耐震性、維持管理、バリアフリー、省エネ、居住環境、維持保全計画などの性能項目を定めています。都市の低炭素化の促進に関する法律は、社会における二酸化炭素の排出量について、その相当部分が都市部において発生していることから、都市部の低炭素化の促進を図り、都市の健全な発展に寄与することを目的とする法律です。

都市の低炭素化に関する基本的な方針や計画の策定及び措置、低炭素建築物の普及の促進に寄与する施策などが定められています。

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