【前回の記事を読む】リモート経営、ネット契約、サブスクリプション…便利になる世の中に対し変人ポーは…

第1章  思い通りの人生をデザインするための「人間力」

復活サムライ合宿 ~自己啓発の魅力~

テレビゲームでロールプレイングと呼ばれるジャンルがある。このジャンルのゲームは大抵、敵を倒すとレベルアップをしていく。そしてレベルアップすると攻撃力、守備力、体力、速さ、魔法力などが上がる。その中に、精神力という力があるものもあった。

「精神力?」

ゲームの中で、その精神力がどういった効力を持っていたかは未だにわからないが、とにかく当時ボクの中では一番必要のない能力だった。変人ポーは自己啓発のことを、ゲームで言うところのレベルアップだと言っていた。

「レベルアップをすると敵という、人生では困難や問題、仕事や夢と呼ばれるようなさまざまな物事に立ち向かっていけるようになる。それらに淘汰されながらも道を切り拓いていき、また打ち勝っていき、人は人生というゲームを生きていくようなものだ」

仮にこう例えるならば、もはや自己啓発は我々の人生にとって、なくてはならない魅力となり得るものである。変人ポーはこうも言っていた。

「ただ明らかにゲームと違うのは、人生において精神力という能力は絶対不可欠なものであることだ。精神力とは、何ごとかをやり遂げようとする意志の力だ。時代が戦国時代なら一見攻撃力や守備力が第一に必要のように見えるが、それは後世である我々の勝手な見方であり、実際はあの戦国時代でさえ精神力が何よりものを言ったものだ。

いや、むしろ戦国時代だからこそ、と言ったほうが的確かもしれない。信長や秀吉、家康は個人の攻撃力や守備力で天下を取ったのではない、彼らは驚嘆すべき精神力をもってそれぞれ天下人となったと言って良い」

変人ポーはよく日本史のサムライを引き合いに出したものだ。すっかりそれに慣れてしまっているボクはサムライをスルーしてなぜ精神力が大事なのかを聞いた。

「なぜか? それは、世の中そんなに甘くないからだよ。いつも言ってるだろう?」

「うん、人生自分の思い通りにはなかなかいかないのだから、その覚悟が必要なんだよね」

「その通りだ。その覚悟と一緒に必要なのが精神力だ。精神力とは、意志の力だったね?」

「意志を強くしていけば良いってこと?」

「そうだな、精神力ともう一つ大事なものがあるよ。ゲームの中にはなく我々人間にだけあるもの、と言えばわかりやすいかもしれない」