相続不動産はどのように(税務)評価するか
この章では不動産に関する評価についてお話をしたいと思います。不動産を相続しますと、自己使用であっても賃貸として貸出した場合でも税金が課せられますし、不動産の売却時にも税金が課せられることがあります。
ここでは、不動産に関する税金の中でも、相続に関連したものや売却に関連したものなど、対策をとることで税の軽減効果が得られる可能性がある内容に重点をおいて説明したいと思います。
相続不動産の税務
「相続対策で不動産に投資する」、などという言葉をよく聞かれると思うのですが、これはどのようなものによるのでしょうか。不動産を保有することでどのように相続税対策となり得るのか、その仕組みについて説明をしたいと思います。以下では、不動産を建物と土地に分けて説明します。
建物で相続税評価を下げる 賃貸不動産は二重に評価減!
建物は固定資産税評価額により評価をします。一般的には固定資産税評価額は取得原価の五〜六割(新築時)といわれています。さらに、賃貸不動産(マンション、アパート、一棟ビルなど)の場合は賃貸割合に応じて最大三〇%の評価減を適用することができます。これにより、建物は二段階で相続税の評価を下げることが可能になります。
土地で相続税評価を下げる 特例を利用して三重の評価減を!
土地は路線価地域に存する場合、路線価により評価をします。路線価は毎年国税庁により発表されており、被相続人が亡くなった日の属する年の路線価を適用して評価をします。路線価は公示価格の八割程度といわれています。
土地は地形や地積規模で異なる
土地は路線価で評価するとお伝えしましたが、同じ路線価に面する土地がすべて同じ評価にはなりません。これは「補正」と呼ばれるのですが、その土地の形状や地積規模により評価の修正を行います。土地それぞれの利用価値をできる限り財産評価に反映させましょう、という税法の趣旨とも考えられます。