【前回の記事を読む】高齢者の要介護率が低い町、若葉台の「幸せそう」な住民たち
はじめに
若葉台に住む知人には、「団地」と言われたくないという人がたくさんいます。今の若葉台という“夢の団地”の住民たちは、ちょうどニューファミリーと呼ばれる団塊世代を中心とした層。“核家族”の先がけでもあります。人生の先々で世の中の流れを変えてきた人々ですが、マンモス団地の住民としてこれからどんな生き方を見せてくれるのでしょう。
少子高齢化、空き店舗、孤独死など、マイナスイメージが先行する郊外型団地ですが、まったく新しい30年後の「夢の団地 その続き」や、これまでとまったく違った高齢者の姿を描いてくれるかもしれません。限界集落に対して限界団地という言葉もあるようですが、そうならないためにも、今若葉台で取り組んでいることを、日本全体の高齢化にも視点を広げながら少し掘り下げて考えてみたいと思うようになりました。
そのために、若葉台の人々の夢の続きをこの本の中で追求してみたいと思います。また2025年問題が何かとクローズアップされますが、その言葉を恐れすぎず、できる限りの対策を立てて、自然に淡々とこの団地と共に年を重ね、団地に住む幸せについて考えてみようと思います。
そして若葉台の成熟を見守りつつ、一人の人間の人生のように、愛情を持ってこの団地のことと、ここに生きる人々のことをお知らせできたらと思っています。