さて、ここで日本の農業を見てみましょう。日本の現在の食料自給率は三〇~四〇%になっています。一九七〇年代から始まった減反政策で、日本農業は衰退の一途をたどり、今や、先進国でこれほど食料自給率を落としてしまった国は日本と韓国だけです。
産業技術の進んだ先進国ではその産業技術が農業の分野にも及んで、農業技術力を強化していますので、日本のように食料自給率を落とした国は先進国ではありません。劇症化した地球温暖化時代には、アメリカのような食料大国でさえ、今の石油が使えなくなるとはたして食料が輸出できるか危ぶまれることになりますので、日本は今までのように大量の食料を輸入するという甘い考えでは済まなくなります。早急に農業生産システムを抜本的に見直して、国内での食料生産力の強化をはかる必要があります。
幸い、世界は第四次産業革命に突入し、多くの先端技術が出そろっています。そして、日本の産業技術力は世界のトップレベルにあります。この産業の資金力、技術力、組織力をもって、日本の弱体化した農業をバックアップすれば、比較的短期間で日本の食料生産力を強化することは可能です。
具体的には農業の最先端をいくオランダがやっている農業工場システムを日本も取り入れて、化石エネルギーとその電力で成り立っている現在のシステムを、すべて太陽光エネルギーで稼働する農業工場システムに全面転換させ、日本型農業工場システムを実用化して、日本の食糧自給率一〇〇%を達成するとともに、早急にこの日本型第四次農業革命を世界に波及させることによって、劇症型地球温暖化の危機を乗り切ろうと提唱するものです。