「わしの一世一代の発明や。兄ちゃん、大事に使うてや」 洛北大4年の純平は、薬学博士を名乗る初老の男・倉元から怪しげな薬を渡される。 それを飲んだチームメイトを試合中に襲った衝撃――。 病弱な母を救いたいと、再生細胞の研究を続ける純平。石油化学工業会社勤務ながら、 環境問題をきっかけに自らの仕事に疑問を持ち始めた朋彦。 そして夫の死後、表舞台から約20年間、姿を消した歌手・旭かなえの人生が交錯し、 「命」「寿命」「病」について問いかける一冊。