美紀が岬の高台に出掛けた母の命日から二月ほどが経ち、志摩地方も梅雨の季節を迎え、雨のそぼ降る鬱陶しい日が続いていた。その日は漁火の二階の部屋で雨音を聞きながら目が覚めた。「今日も雨か」と思いながら美紀は憂鬱な気分になった。雨の日は喫茶店やスナックの客足が伸びないのだ。観光客の来店などは雨に祟られここしばらく皆無に近い状態だった。「今日は喫茶店を閉めて気晴らしに鵜方に買い物にでも行くとするか」降る…
群像劇の記事一覧
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第17回】行久 彬
客足が鈍る雨の日は…時間が経つのも忘れちゃう買い物で気晴らしを!
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第15回】行久 彬
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第13回】行久 彬
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第11回】行久 彬
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第10回】行久 彬
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第9回】行久 彬
激しく雨の降る夜―血走った目で唸り声をあげながら夫の手が私の首に掛かり…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第8回】行久 彬
見栄えの良いお見合い相手にご機嫌の娘。しかし実家の水商売や過去の父親の自殺に何も触れないことに違和感を感じ…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第7回】行久 彬
就職して3年、21歳。地元の名士である勤め先の組合長から息子の嫁にと請われ初めてのお見合い
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第6回】行久 彬
「後家が男を誘い込むには丁度いい名だ」―辛辣な陰口を叩かれた母の店名「漁火」
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第5回】行久 彬
父の不名誉な死―母は生計のため叔母や親戚筋から大反対されるもスナック開業を決意
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第4回】行久 彬
「亭主を自殺に追い込んだ悪妻」と母に悪い噂が流れ耐え忍ぶ日々…世間が自分たちの味方ではないことを知った
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第3回】行久 彬
私だけがなにも知らなかった…ある日級友から父が自殺した事情を聞かされて…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第2回】行久 彬
父は一月のある寒い朝、酒を大量に飲んで漁具の鉛を腹に巻きつけ冷たい海に飛び込み自殺した…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【新連載】行久 彬
町一番の稼ぎ頭と言われていた父のある噂―なにも知らない母に近所の女性が近づいてきて…
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小説『GLO・秋の読書フェア』【『浜椿の咲く町』第20回】行久 彬
【小説】迫る台風。心配する妻を叱咤し海へ向かった漁師は…
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小説『GLO・秋の読書フェア』【『浜椿の咲く町』第19回】行久 彬
「嫁にくれと言われるうちが華」結婚話を進める両親に、娘は
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小説『GLO・秋の読書フェア』【『浜椿の咲く町』第18回】行久 彬
雨のなか出会った一人の女。心に「深い傷」を負っていて…