三好は美術館に行くようなタイプでもないのか、そわそわしながら周りを見渡した。冷え切った廊下には二人の履いたスリッパを擦る音だけが響いている。「これが、久原真波さんが十三年前に描いた卒業制作『藤山』です」一つの絵の前に立ち止まると、三好は息を呑んだ。A3ほどのサイズの小さな絵だったが、今にも飛び出しそうな迫力と躍動感を感じる。繊細なタッチだが自然の雄大さと儚さ、その対照的な二つを描き切っている生命…
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小説『約束のアンブレラ』【第11回】由野 寿和
雄大な藤山の前に佇む赤いコートを着た少女の絵――ぽつんと寂しそうに立っているように感じた
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小説『赤い大河』【第14回】塚本 正巳
「それより、どうしてこんなところで働いてるの?」素直な疑問だった。彼女にとっては大切な場所を軽んじてしまった。
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小説『オレンジ病棟』【最終回】朝丘 大介
病室に入ると、窓ぎわのベッドに座っていた水色のパジャマの中年男がにっこりと笑いかけてきた。和やかなムードの中…
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小説『約束のアンブレラ』【第10回】由野 寿和
卒業制作の条件は一つだけ――大学のシンボルツリー「紫藤の木」を描くこと。被害者女性が描いた卒業制作には…
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小説『赤い大河』【第13回】塚本 正巳
違法カジノが警察に相談? 「どうせなら、もっとましな嘘をついたらどうだ」 店で暴れる男の最後は......
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小説『光と闇の相剋』【最終回】髙嶋 郷二
次の瞬間、左の肩が急に重たくなり、耳鳴りがした。奇妙な灯火が現れたかと思うと、その光はだんだん近よってきて…
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小説『乱世、一炊の夢』【第12回】安藤 恒久郎
「あの関白秀吉という小男、なかなかやるな。…よほど、帝と、いや朝廷と持ちつ持たれつなのか、さもなくば弱みを握っておるのか」
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小説『約束のアンブレラ』【第9回】由野 寿和
キャンパスから駿河湾が一望できる被害者女性の出身大学の教授に聞き込み捜査へ
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小説『赤い大河』【第12回】塚本 正巳
ゲームが進みチップが積み上がる頃、違和感を感じた。ふとあたりを見回すとその正体はすぐに分かった。「お前、何かやってるだろう」と男は言いだし―。
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小説『約束のアンブレラ』【第8回】由野 寿和
3ヶ月前に失踪した女性は死後数日経っていた――いつ殺害され、いつこの場所に遺棄されたのか?
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小説『赤い大河』【第11回】塚本 正巳
「すぐに、気づいてよ」丁寧にひかれたアイラインとおろした髪の毛。食堂で出会った「陰気な女」のアルバイト先は......
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小説『約束のアンブレラ』【第7回】由野 寿和
「犯人には思い当たる人間がいます」「誰ですか」そう顔色を変える刑事
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小説『ジュピターと仲間達 Jupiter & Friends』【第11回】ジェフリー 樫田
村が盗賊に襲われ、両親を殺された親友。「父上も母上もあの黄色い花の丘が大好きだった。そこに墓を作ってやりたい。」と言うと…
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小説『約束のアンブレラ』【第6回】由野 寿和
失踪する3ヶ月前の交際2年目の記念日「9月29日」にプロポーズ。その翌日に婚約者が失踪…?
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小説『赤い靴』【第12回】高津 典昭
家族愛の冷め切ったこの男、要は金である。昼間から島焼酎を飲んでいる父は、卒業後の仕事が決まった娘に口元が緩んだ。
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小説『透視男』【第14回】上田 晄暉
「松岡さん、何してるの?忍者の真似事?」偶然ターゲットの専務が姿を現す。「こいつは手強いな......」
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小説『善悪の彼方に』【第14回】叶浦 みのり
「前回は失火、今回は明らかな放火。偶然同じ団地内だっただけで関連性は薄いんじゃないか」刑事の義兄はそう言うが…
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小説『標本室の男』【第41回】均埜 権兵衛
「あ、駄目だ、見ない方がいい」タイヤの間に、友達の頭部。身体は不自然に平らで、その先はもの凄い血溜まり...既に死人の顔色だった。
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小説『弔いの回想録』【第6回】松田 浩一
「仮にお前の父親が働けなくなったら? 高校卒業後のこともよく考えろ!」強く諭され…胸倉を掴んだ手に力が入らなくなった。
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小説『約束のアンブレラ』【第5回】由野 寿和
被害者の婚約者は不動産会社に勤めるエリート。改めて失踪当時の事情を聞きにいき…