17歳の少年の頭の中で〈思い出〉はすでに一つの創造の世界を開く契機、基盤となっていることを示す、この『狂人の手記』の一節は後のフローベールの創造の世界を見事に予告している。すなわち彼の作品創造は、客観的現実以上にこの思い出=過去の想起がもたらす幻像に依拠している。「フローベールのレアリスムはドラマチックなストーリーからなるバルザック的小説を、場面をつなぎ合わせた小説に変える事にあった1)。」とA…
写実主義の記事一覧
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評論『フローベールの秘密』【第7回】瀬戸 和子
フローベールが作品創造に依拠する思い出は、彼の過去の人生から切り離し強烈な光をあて、ある場面だけを照らし出すような…
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評論『フローベールの秘密』【第6回】瀬戸 和子
過去を再現、所有するはずの思い出は、無限を要約するものと言われながら、過去を一望の灯の下にはみせてくれないのである
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評論『フローベールの秘密』【第5回】瀬戸 和子
【写実主義文学の代表作家・フローベール】自然への融解?自我喪失?「汎神論的な体験」について文学研究!
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評論『フローベールの秘密』【第4回】瀬戸 和子
青年の恋は、無限の始まり。恋への情熱は、果てしない恋の夢であり、空虚な現実でもある
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評論『フローベールの秘密』【第3回】瀬戸 和子
"無限"は無限であるがゆえに、いざペンをつかみ表現しようとも、一言も書くことが出来ない
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評論『フローベールの秘密』【第2回】瀬戸 和子
あなたが何かを表現したいと思って悪戦苦闘する時、思い出してほしい作家
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評論『フローベールの秘密』【新連載】瀬戸 和子
いち早く「不倫」を主題とした作家ギュスターヴ・フローベールを知っていますか?