走っていくと、言われた通りの場所に黄色いコートを着た娘の姿が見つかった。息を荒げながら叫ぶ。「凛、どこにいたんだ!」はあはあと呼吸を整えながら、仲山は凛の頬に触れた。「全く、お父さんは心臓が止まるかと思ったぞ。ダメじゃないか、勝手に離れたら」「ごめんなさい、だって」凛はそう何かを言いかける。「まあまあお父さん、娘さんは風船をもらったようで」と、そこに迷子担当のスタッフが口を挟んだ。確かに、凛は黄…
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