フランツ・カフカ

プラハの商家に生まれる。役所勤めのかたわら『変身』『掟の前で』『審判』など不条理ともコミカルとも取れる作品を多数執筆。親友マックス・ブロートに「僕が死んだら原稿は焼却してくれ」と言い残して肺結核で死去するが、ブロートがその遺志に逆らい作品を発表したことからフランツ・カフカの名は世界文学史に刻まれた。日本にも無数の愛読者がいる。

掲載記事

書籍

  • 大阪弁で読む『変身』
    作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰
    出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング
    「どないかしてこれを追い出さな」
    ある日突然、巨大な虫へと変身してしまったグレゴールと、異常事態にてんやわんやな家族たち……。
    はたして彼らは平穏な生活を取り戻せるのか?
    怒濤のテンポで繰り広げられるドタバタ劇!

    ――グレゴール・ザムザはある朝けったいな夢から目が覚めてみたら、ベッドん中で馬鹿でかい虫に変わってる自分に気がついた。仰向けの背中は鎧みたいに硬いわ頭をちょっともたげてみたら腹は茶色ぅふくらんで硬い節に分かれとるわ、その腹にかかっとる布団はずり落ちる一歩手前で最後の瞬間を待つばかり。
    無数にある脚は腹回りのわりに情けないくらい細ぅて、目の前でワヤワヤと頼んなくうごめいとった。
    「おれ、どないしてん?」(本文より)