「そう、彼らは銃とコインを使ってこの大地と人間の心を破壊しました。それまでわたしたちは所有などという意識は持っていないし、お金の豊かさという概念もなかったのです。そんなものなくても豊かで幸せだったのです。ここの大地もわたしたちの命も全て神々のものだった」亜美はこの女性の瞳にどんどん吸い込まれていった。「今のあなたの国は、表向きは豊かです。しかし心は貧しい、わたしたちと同じです」時はバブル経済が終…
[連載]哀瞳のレムリア
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小説『哀瞳のレムリア』【第8回】岩下 光由記
大虐殺・民族浄化・強制移住で人口の90%を抹殺。人間ではなく「狩りの対象」。アメリカやオーストラリアで起こった白人の入植
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小説『哀瞳のレムリア』【第7回】岩下 光由記
ネイティブアメリカンの末裔の儀式に参加。年老いた女性から「誇り高い勇者の民の末裔ね」と言われ…
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小説『哀瞳のレムリア』【第6回】岩下 光由記
「わたしが知らないことばかりだわ……日本人として恥ずかしい」フィリピンの希望、日本~侍の活躍が、歴史を変えた~
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小説『哀瞳のレムリア』【第5回】岩下 光由記
「10歳以上は皆殺しにせよ」残虐の限りを尽くされた戦争。それでも独立を諦めなかったリカルテ将軍は、地獄の島に流刑されたが…
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小説『哀瞳のレムリア』【第4回】岩下 光由記
亜美という名前に込められた思いが国を、世代を超えて重なる 友人の家族は日本と深い関係が…
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小説『哀瞳のレムリア』【第3回】岩下 光由記
日本が好きなフィリピン人の友人。「日本は昔酷いことをしたのに…どうして?」と尋ねると…
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小説『哀瞳のレムリア』【第2回】岩下 光由記
潜った海や海辺の情景が折り重なるような不思議な夢をたびたび見るようになり…
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小説『哀瞳のレムリア』【新連載】岩下 光由記
神話のような名前を持つ後輩。その死は何故か私の心をざわめかせた