ユジンの母親と挨拶を交わし、父親の墓参りを済ませた一行は、郭が納めた武の墓標へ向かった。「武さん、わかりますか? あなたのお父様とお母様ですよ……」ユジンは嗚咽した。「武、ゴメンネ! あなたを置き去りにした母です! 許してください! 許して……」「武! 立派になったんだな。わしは何もしてやれなかった……。しかし聞けば真直ぐに生きたお前がいた。誇りに思います。人生は長短ではない。過程ではないか。郭…
[連載]二つの墓標 完結編
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小説『二つの墓標 完結編』【最終回】丹波 燐
武の墓標を訪れた一行…言葉を噛み締めながら語られた彼の人生とは
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小説『二つの墓標 完結編』【第11回】丹波 燐
「日付けが変わるまで語り合った」血は争えないと感じた親類たちとの出会い
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小説『二つの墓標 完結編』【第10回】丹波 燐
【小説】「兄さん。久し振りじゃ」諦めていた義兄弟との再会
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小説『二つの墓標 完結編』【第9回】丹波 燐
【小説】「私たちはもう友人よ」…言葉と国が違っても涙する
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小説『二つの墓標 完結編』【第8回】丹波 燐
【小説】「二人で行くから意味がある」愛する人とともにプサンに向けて出港
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小説『二つの墓標 完結編』【第7回】丹波 燐
【小説】「サンマン、ご挨拶は?」と促したら…予想だにしなかった子どもの挨拶に大人は胸を熱くした
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小説『二つの墓標 完結編』【第6回】丹波 燐
【小説】「私どうしたらいいか分からなかった。逃げ出した卑怯な母親だもの」
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小説『二つの墓標 完結編』【第5回】丹波 燐
【小説】「失った絆を手繰り寄せるためには会っておかなければならないが女がいる」
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小説『二つの墓標 完結編』【第4回】丹波 燐
【小説】「がぁーっ、いっ、生きておったかーー」25年ぶりに母の本家で…
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小説『二つの墓標 完結編』【第3回】丹波 燐
【小説】「彼は日本人だったが、韓国のために銃を手にしたのだよ」
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小説『二つの墓標 完結編』【第2回】丹波 燐
【小説】「二十五年振りの日本か…」妻や母を想い、感慨に浸る
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小説『二つの墓標 完結編』【新連載】丹波 燐
【小説】「ソウルよりプサンの空気がうまいなあ」一人つぶやく